帰化申請に必要な韓国書類について
韓国(または朝鮮)国籍の方が帰化申請する場合、法務局から韓国書類を提出するように指示されます。初回の帰化相談を終えると、日本で収集する書類も合わせた必要書類リストを渡されますが、これでは必要な書類の情報は得られるものの、各必要書類の集め方までは教えてもらえません。
ここでは、帰化申請に必要な韓国書類の取得方法についてお伝えします。
韓国書類の取得場所
市役所等の日本の役所ではなく、日本国内にある韓国大使館または韓国領事館で取得できます。
韓国の役所に請求する必要はありませんので、韓国語がわからない特別永住者の方でも請求可能です。愛知県・三重県・岐阜県・福井県にお住まいの方は、駐名古屋総領事館が管轄になります。また、地方で領事館まで出向くことが難しい場合は郵送請求することも可能です。
帰化に必要な韓国書類とは
韓国(または朝鮮)国籍の方が帰化するために必要な韓国書類は次の通りです。
〈帰化する本人の〉
- 基本証明書
- 家族関係証明書
- 婚姻関係証明書
- 入養関係証明書
- 除籍謄本
〈父親の〉
- 家族関係証明書
- 婚姻関係証明書(母親の婚姻関係証明書が発行できない場合に必要です)
〈母親の〉
- 家族関係証明書
- 婚姻関係証明書
- 除籍謄本(母が15歳頃から現在までのもの)
韓国書類の取得方法
1通あたり110円の手数料がかかります。
【訪問申請】
必要書類
- 家族関係登録簿などの証明書交付申請書
- 身分証明書(写真付きで有効期限内が切れていないもの)
- 住民登録番号又は登録基準地の住所(〇〇洞、〇〇里までは必要)
※氏名、生年月日、登録基準地(本籍)が正しくない場合は発給されません
- 発給対象者と申請人の関係を立証する書類
申請人が日本人の場合:日本の戸籍謄本
申請人が韓国の家族関係登録簿(旧戸籍)に入っていない韓国人の場合:出生証明書など
【郵便申請】
必要書類
- 家族関係登録簿などの証明書交付申請書
韓国大使館のホームページで申請書をダウンロードすることができます。
白紙に登録基準地の住所、氏名、生年月日(住民番号)、現住所、電話番号、必要書類を記入して申請することもできます。
- 身分証明書(在留カード、特別永住者証明書、パスポート、運転免許証等)のコピー
写真付きで有効期限が切れていないもの
- 返信用封筒(切手を貼り、住所・氏名を記載)
- 手数料1通あたり110円を現金書留または定額小為替で同封する
- 発給対象者と申請人の関係を立証する書類
申請人が日本人の場合:日本の戸籍謄本
申請人が韓国の家族関係登録簿(旧戸籍)に入っていない韓国人の場合:出生証明書など
各証明書の記載事項と申請権限
【各証明書の記載事項】
証明書の種類 | (共通)記載事項 | (個別)記載事項 |
---|---|---|
家族関係証明書 | 本人の登録基準地・氏名・性別・生年月日・住民登録番号 | 親、配偶者、子どもの人的事項(記載の範囲3代に限る) |
基本証明書 | 本人の登録基準地・氏名・性別・生年月日・住民登録番号 | 本人の出生、死亡、改名など人的事項(婚姻、入養事項は別途) |
婚姻関係証明書 | 本人の登録基準地・氏名・性別・生年月日・住民登録番号 | 配偶者の人的事項および婚姻・離婚に関する事項 |
入養関係証明書 | 本人の登録基準地・氏名・性別・生年月日・住民登録番号 | 養父母・養子の人的事項および入養・破養に関する事項 |
親養子入養関係証明書 | 本人の登録基準地・氏名・性別・生年月日・住民登録番号 | 実の父母・養父母又は親養子の人的事項および入養・破養に関する事項 |
【申請権限がある者(親養子入養関係証明書を除く)】
本人、配偶者、子、両親
上記、5種類の証明書は2008年1月1日以降の事項となるため、それ以前の事項に関しては、「除籍謄本」を取得して証明することになります。
韓国書類を収集して、何を証明しているのかというと、帰化申請する本人の出生から現在までの事実を証明していきます。
例えば、1982年生まれの方が帰化申請をする場合、1982年から2008年までの「除籍謄本」を取得、2008年から現在までの事項を「基本証明書」「家族関係証明書」「婚姻関係証明書」「入養関係証明書」「親養子入養関係証明書」の書類で証明します。さらに、母親の15歳頃から現在までの「除籍謄本」「家族関係証明書」「婚姻関係証明書」が必要になります。
なぜ、母親の15歳頃まで遡るのかというと、母親の子どもの人数を証明するためです。
帰化申請する本人も知らない兄弟がいる可能性があるため、ここまで調べます。
父親については、直近の「除籍謄本」「家族関係証明書」「婚姻関係証明書」の3点で証明します。
韓国書類の収集が上手くいかない時のチェックポイント
ここまでで、韓国書類の収集方法についてイメージできた方も多いのではないでしょうか。
ここからは、実際に書類収集を始めてみると多くの方が先に進めなくなってしまうポイントが2箇所あります。
そのポイントとは、
- 登録基準地がわからない
- 母親の除籍謄本についてです。
こちらの2点について解説します。
登録基準地がわからない
登録基準地とは、本籍のことを指します。韓国生まれの方は、ご自身の登録基準地を把握していることが多いのですが、日本生まれの方の場合、登録基準地がわからないという方が殆どです。そもそも、韓国側に届出をしておらず、韓国側では生まれたことになっていない方もいます。登録基準地がわからない方も、調べる方法がありますのでご安心ください。
出入国在留管理庁に外国人登録原票を請求すると分かる場合があります。(平成24(2012年)年7月9日以降に来日した又は出生した方には外国人登録原票は発行されません)
母親の除籍謄本について
母親の除籍謄本の収集が、韓国書類収集の一番の難関と言われています。
母親が15歳頃から現在までの除籍謄本が必要で、下記の事項により戸籍は変更になるため、ひとつひとつ遡っていく必要があります。
〈戸籍の変更事項〉・結婚・離婚・転籍・戸主の相続・分家
平均で3〜4部取得する場合が多く、これらは全てハングルで発行されるため、日本語翻訳が必要になります。日本語翻訳は、自身で翻訳しても構いませんが、除籍謄本は古くなればなるほど、手書きのものだったりして読み取りが難しくなるため、専門家に依頼することをおすすめします。
〈無料相談のご案内〉
帰化申請しようと始めて見たものの、想像以上に手間と時間が掛かり、途中であきらめてしまう方が多くいます。
また、韓国領事館や法務局で分からないことを教えてもらおうと思っても、親切丁寧な対応はあまり期待できません。実際に、韓国書類の郵送請求をした際に、担当者が2週間不在という理由でそれ以降に連絡するようにいわれたり(担当者以外の人は処理してくれない)日本では考えられないような対応もあります。
たかが書類の収集と思わずに、煩わしい作業は帰化申請のプロにお任せする方が、早くて確実です。
行政書士さくら法務事務所では、帰化申請に必要な書類の収集や申請書類の作成代行など、日本国籍の取得をサポートしています。帰化したいという気持ちが折れてしまう前に、ぜひ一度ご相談ください。