帰化申請は自分でもできるのか
毎年、1万人近い外国籍の方が帰化を許可され日本国籍を取得しています。
その半数近くが、韓国・朝鮮籍の方で次に多く締めるのが中国の方、そして、ブラジル、ベトナム、フィリピンと続きます。
近年では、日本で就労する外国人の方が、日本で子供を産み、育てていきたいと考える方も増えてきました。
日本で生まれ、日本で育った方はもちろん、長年日本で生活をしている方の中には、外国人として日本で暮らすことに違和感を覚えたり、不便を感じたり、不自由さを目の当たりにして、国籍が人生において重荷になっている方もいらっしゃいます。
また、日本は二重国籍を認めておりませんので、日本国籍を取得したら、母国の国籍は離脱しなければなりません。帰化申請は1人の人生を大きく左右する、非常に重大な決断です。
日本国籍を取得するためには、帰化の要件を満たしている必要があります。そのうえで、必要な書類を集め、申請書類を不備なく作成することが求められます。
帰化申請のために必要な書類は100枚超え⁉︎
帰化申請において法務局に提出する書類は、申請者の家族構成、職業、経歴などにより様々です。提出書類が100枚以上になることも珍しくありません。必要書類が全て揃うまで、帰化申請の受付はおこなわれないため、平日に法務局に予約を取り、書類が揃うまで何度も法務局に通うことになります。
- 書類の集め方がわからない
- 法務局の予約がすぐにとれない（1ヶ月以上先になることも珍しくない）
- 役所から取得する書類には有効期限があり、取り直すこともある
- 帰化の審査期間は約1年という長期間に渡る
このように、やるべきことが非常に多く、途中で諦めてしまう方もいらっしゃいます。
一般の方が、法務局の指示通りに書類を集めるだけでも非常に高いハードルになるのです。さらに、特別永住者の方など、日本生まれ日本育ちで日本語しかわからない方の場合、母国の書類を集めることが非常に困難になります。
特別永住者の方は、帰化の要件自体は一般の外国人の方に比べると緩和されている部分がありますが、集める書類に関しては一般の外国人の方よりも非常に多くなっており、このことが帰化申請の難易度をあげています。
帰化申請の必要書類
帰化申請に必要な書類については、こちらの記事をご参照ください。
自分で作成する書類は約10種類
帰化申請では、役所などで集めた書類をもとに申請書類を作成していきます。具体的には次のような書類です。
- 帰化許可申請書
- 履歴書その1
- 履歴書その2
- 親族の概要書
- 生計の概要その1
- 生計の概要その2
- 帰化の動機書※特別永住者の方は不要
- 居宅附近の略図等
- 勤務先の略図等
- 事業の概要※個人事業主・法人経営者
上記の書類のフォーマットは、法務局の事前相談後にもらうことができます。ダウンロード用のデータは公開されていないため、手書きで書類を作成します。ボールペンで記入し、修正液は使えません。
書き損じたときのために、事前に申請書類のコピーは多めにとっておきましょう。
法務局の書類チェックを複数回受ける
初回の事前相談を終えると、次回の予約までに指示された書類の収集と作成をおこないます。
そして、追加で書類を提出するように指示されるなどして、全ての書類が完成して受付されるまで、5〜6回法務局に足を運ぶことになります。一度に全ての書類を集められるとよいのですが、書類の収集に慣れていない一般の方が1ヶ月程度で法務局が必要とする全ての書類を集めて申請書類を作成することは現実的に難しいです。
法務局によっては、2〜3回に分けて必要書類の収集を少しずつ指示するところもあるようです。
法務局では、書類の一覧表を渡してもらうことはできますが、そのひとつひとつをどのように集めればよいのか、具体的な案内はありません。
自分で必要書類のリストを見ながら、どこに、どんな手続きをすれば書類を取得できるのか調べることから始めなくてはなりません。
帰化申請を自分でするのは難しいのか？
このように、帰化申請は大変な時間と手間が掛かります。そのため、帰化申請さえすれば帰化できる可能性の高い人でも、残念ながら途中で諦めてしまうことがあるのです。
時間をかけ、諦めずに取り組めば、帰化申請を自分ひとりの力でおこなうことは可能です。
しかし、大変困難な道のりであることは断言できます。
今後の人生を大きく左右する決断だからこそ、ひとりで頑張らずに専門家のサポートを受け、一日も早く日本国籍を取得してほしいと願っています。
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