帰化とは？
帰化とよく比較される手続きに、永住権の申請がありますが、永住権は、外国人のかたの国籍はそのままで、在留期間の制限がなくなります。
国籍はそのままで、日本で暮らし続けることができる権利のことです。
帰化は、元々の国籍を失い日本国籍をあらたに取得するもので、日本人になるということです。
帰化をすることで、今まで数年おきにおこなっていた在留カードの更新手続きや変更手続きをしなくてもよくなります。
在留資格ごとに定められた就労制限もなくなり、日本人と同じようにどんな仕事をすることもでき、時間の制限もありません。さらに、自分で起業することもできます。
帰化すると、在留資格や期限にしばられることはありません。また、社会保障も日本人同様に受けることができるようになり、安心して日本で暮らすことができます。
帰化と永住の違い
帰化と永住権の違いについてまとめました。
| - | 帰化 | 永住 |
|---|---|---|
| 根拠法 | 国籍法 | 出入国管理及び難民認定法 |
| 申請先 | 住所地を管轄する法務局 | 住所地を管轄する出入国在留管理庁 |
| 国籍 | 日本 | 外国籍 |
| 戸籍 | 取得可 | 取得不可 |
| 役所手続き | 居住する市区町村 | 居住する市区町村及び本国への届出が必要 |
| 就労 | 制限なし | 制限なし |
| 再入国許可 | 不要 | 必要 |
| 退去強制処分 | 適用なし | 適用あり |
| 参政権 | 選挙権・被選挙権が与えられる | 一部の自治体を除いて参政権なし |
| 外国人登録 | 不要 | 必要（在留カード携帯義務） |
日本に帰化することのメリット7つ
- 職種や時間などの就労制限がなくなる
- 住宅ローンや自動車ローンなど、銀行との取引や融資を受けることが可能になる
- 日本のパスポートを持つことができるようになる
- 選挙の投票権を持ち、立候補することも可能になる
- 年金など社会保障サービスが日本人と同じ扱いになる
- 入国管理局や役場での在留資格関係の手続きがなくなる
- 日本人と結婚すると同じ戸籍に入ることができる
職種や時間などの就労制限がなくなる
日本で働くためには、就労系の在留資格が必要になり、転職のたびに在留資格手続きが必要なものもあります。資格外活動による時間の制限などもなくなり、自分のやりたい仕事を自由に選択することができるようになります。また、外国籍では、いくら日本に長く住んでいたとしても管理職以上に上がることができません。帰化することで、公務員としてキャリアを積むことも可能になります。
住宅ローンや自動車ローンなど、銀行との取引や融資を受けることが可能になる
外国籍ではローンを組めないという決まりはありませんが、住宅ローンなど長期にわたる返済計画が必要なものでは、永住権を持っていることを求められたり、実際にローンを組むことができないケースが多いです。おなじ収入条件だとしても日本国籍の方が、審査が通りやすくなります。
日本のパスポートを持つことができるようになる
日本人が旅行や仕事で海外に行くとき、ビザの手続きについて意識することはありません。ビザの手続きなしに入れる国がとても多いからです。帰化をする前の国へ帰省される際にも手続きが楽になることが多いです。
選挙の投票権を持ち、立候補することも可能になる
日本人として選挙の投票権を持ち、自分が立候補することも可能になります。
年金など社会保障サービスが日本人と同じ扱いになる
年金、福祉、社会保障など様々な公的扶助を日本人として受けることができます。
在留資格関係の手続きがなくなる
帰化の許可がおりると在留カードは返却します。入国管理局での手続きは今後不要になり、最寄りの役場で公的手続きをおこなうことができます。
日本人と結婚すると同じ戸籍に入ることができる
外国人には戸籍がありません。帰化することで新しい戸籍がつくられ、日本人の配偶者やお子さんと同じ戸籍にはいることができます。
日本に帰化することのデメリット
母国の国籍を失う
日本は二重国籍を認めていないため
帰化をするには
帰化をするためには、法務局に帰化申請をおこない許可をもらわなければなりません。
帰化をするために、定められた要件を満たしているのかどうか審査を受けるためには、様々な書類を集め申請書をつくり、法務局に書類を受理してもらってから結果が出るまでおよそ1年ほどかかります。
帰化申請時に提出する書類は、100枚以上にのぼることもあり、書類の取り扱いに慣れていないかたは、書類を収集する時点で大変に苦労します。
ご本人が自分で帰化をする場合、法務局で指示された書類を1ヶ月〜2ヶ月先の予約日までに揃えて持参しチェックを受け、さらに別の書類も揃えるようにいわれ、また1ヶ月〜2ヶ月先の予約日にチェックを受け、本申請まで早くても半年、1年近くかかるケースもあります。
ここまで苦労して書類を揃えても、書類には有効期限がありますので、本申請の時点でもう一度書類を取り直すことになります。
帰化したいと強く希望していても、大変な時間や手間がかかること、法務局の説明がわからないなど。途中で挫折してしまう方が多くいらっしゃるのが現実です。
そして、いくつもの困難を乗り越えて、帰化申請書類が受理されたとしても、結果が出るまで半年から1年かかります。しかも、必ず許可されるものではありません。帰化申請を許可するかしないかは、法務大臣の自由な裁量に任されています。たとえ、完璧な書類を準備できたとしても、許可されるとは限らないのです。
日本国籍を取得できるのかどうかは、人の人生を大きく左右します。まさに、帰化申請は人生を賭けた大きなプロジェクトなのです。
帰化したい！と行動を開始してから結果がでるまで1〜2年と長期に渡るため、途中で挫折するかたが多くいらっしゃいます。帰化申請を乗り越えて、日本国籍を手に入れるためには、プロのサポートが不可欠です。
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